ニューヨークの旅(2)
    
1999年6月


  


泊まったヒルトンの部屋は綺麗で、大きなダブルベッドでも尚
余裕の広さ。一人参加のため追加料金5万円を払っている。
朝食はホテル内の日本レストランで和食が食べられた。

6月19日(土曜日)― NY2日目。ニュージャージーのホテル
を出てバスはマンハッタン島の北から南へ縦断する。バッテリ
パークの船乗り場へ直行する。朝9時、自由の女神観光船の
第1便に乗る。 リバテイー島はすぐ先の海上に見えており、ほ
んの15分で到着。これ以上はないと言うほどの快晴で、美し
い青空を見上げる。





   



  (Fort Lee Hilton)

 

小さな島に着くと、やはり一人でこの
ツアーに参加している背の高
い、太っ
た男が

 「一緒に行きましょう」
 「そうだね、それじゃ一緒に行こう

 か!」
 
とテンガロンハットを被ったその若
 い男に応える。彼はミノルタ・カメラ
 
の35mmとビデオ・カメラの2台を
 
抱えている。私はこの時から自分
  の中で松村君と呼んでいた。タレン
 トの松村より背こそ高いが、その
 体型は正に松村と呼ぶに相応しい。

い。

                                 (Statue of Liberty in New York)
  


     

  昔NYへ出張で来た時にはバッテリパークからこの自由の女
  神を眺めたことはある。しかしリバティ島まで来て見上げる自
   由の女神はとても大きい。自由の女神に上るには沢山の人
  の列であきらめた。

  そもそもこの像は1886年(明治9年)に独立戦争でイギリス
   に勝ったアメリカを支援していたフランスが贈ったものであ
  る。このリバティ島のすぐ並びにはかつてヨーロッパ大陸か
  ら渡って来た移民達が必ず通った赤いレンガの三階建てが
   見える。それが米国の入国移民局である。

  




  (Mr.Kamata & Ms.Yasuo,tour guide
 

  

バティ島からの船上でハドソン川とマンハ
  ッタン・アイランドを撮る。この2年後にはあ
  のNY 9・11 の同時多発テロで飛行機が
   激突した2本の世界貿易センタービルが
  聳え立っている。


  110階のツインタワービルの倒壊と5千人
  余の死者により世界の現代史の転換点と
  なった。21世紀もまたテロという新たな戦
  争の世紀であることを暗示し
た。     

  





               (World Trade Center)

   

午後1時過ぎNY市内ハードロック・カフェでランチ。ハン
バーグ+フライド・ポテト+オニオン・トマト付きの大皿。ペ
プシー・コーラが又でかいグラスに一杯。デザートには厚い
クッキー。

この店のトイレでは黒人が番をしており手洗いにお湯を出
してくれ液体ソープと紙ナプキンを供してくれる。チップは5
0セントと聞いていたが、あいにくコインがなく1$紙幣を渡
す羽目になる。

 
  (Tramp Tower)

  

   午後2時過ぎ、ホテル・ヒルトンの1階にある横浜のおか だやに集合。NY地下鉄の試験乗
   車。希望者には乗車券用のトークンが渡される。結局全員が行くことにな
り41人がぞろぞろ
   と最寄の地下鉄駅に向かう。私もNYは初めてのよう
な顔をしてNY在住10年という現地ガイド
   の瀬原氏に付いて行く。


   
午後2時半、これから6時半までNYでの自由時間。
松村君とトランプ・タワー・ビルに入る。私の知っ
ているNYには確か未だなかったビルだ。ビルの外
観は1階づつ大きな階段のようになって緑の木々
が植えてあるユニークなガラス張りのビル。ビルの
中は吹き抜けになっていた。

彼はルイヴィトンのバッグを買いたいと言うので、ヴィ
トンの店まで付き合う。客には日本人の女性が数人、
店員にも日本人がいる。店ではバッグを物色する日
本人に松村君は
「東京ではこの手のバッグは・・・・・・・・
・」
と私には判らない会話をしている。


  
(Hotel Plaza near Central Park)



                                          

その後セントラル・パークの手前ホテル・プラザ前の広場まで
来る。アジア系の小柄な女性が緑色の両棲類を肩に乗せて立
っている。何者か?写真を撮らせてお金をとるという例の類か。

松村は早速話しに乗って写真を撮る。大トカゲではなくイグアナ
の様だ。
「牧さん!シャッターを切ってくれませんか?」
「いいよ、俺はそういうのは苦手なんだ!」
と断る。松村に話す彼女は完全な日本語のアクセントだ。そうか
日本人か。きっと何か事情があってNYでこんなことをしているの
だろうか?

松村君には自由時間の最後にはロックフェラーセンターのK書
店にいるからと別れる。広場のベンチにかけて被写体を探して
いた。そしてベンチの隣に座る婦人と一時話をしていた。
「私はNYには15,6年前に仕事で何度か来たことがあります
が、今回初めて観光旅行でやって来ました」
「そうですか。NYのその頃から思ったら随分変わりましたでしょ
うね。私はNYに長く住んでいますけど、最近はとても治安がよく
なりましたよ。そのせいか今迄以上に観光客が多いですよ」

しばらく話をしてこのニューヨーカーの白人女性とはお互いに
「Have a nice day!]

と言って別れる。


                                         

  
 

4時過ぎ、ロックフェラー・センターのK書店に寄る。本当に久しぶ
りだ、1階にはカウンターのコーヒーショップ。10席ほどの椅子は皆
日本人で埋まっていた。私も早速割り込んでマスターにアイス・コー
ヒーをオーダーする。添乗員も言っていたようにNYの中心地に日本
語が通じて、トイレも自由に使える本屋として日本人の観光客は必
ず寄ると言う。20分もして$3.50を払うと私は2階へ上がる。

売り場の女性に声をかけて旧知の市橋店長に取り次いでもらう。
アポなしで突然訪ねた私にいささか彼も戸惑ったかも知れない。
それでも話が始まると彼もあれこれと昔話に花が咲いた。彼はNY
勤務は2度目である。80年代始め訪れた時は初対面で旧知のM君
と一緒に会食した記憶がある。

先程の喫茶店のマスターが丁度部屋に現れ店長が声を掛けて我々
二人の写真を撮って貰う。



  (Maki & Mr.Ichihashi ,at NY Kinokuniya Bookstore)

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