杭州を訪ねる (3) 
2006年10月

              3. 西湖  

                                      杭州3日目。今朝も朝6時のモーニング・コー
 ル。朝食前にデジカメを片手にホテルの下に
 降りる。もう歩いている人を見かける。街は靄
 で霞んでいる。ガイドいわく杭州は盆地でいつ
 も霧がかかっている曇り空と言っていた。確か
 に3日いても青空を見ない。
                                     
 写真下: 泊っていたホテルの朝の風景。
 左下: 7時過ぎバスは西湖に向けて出発し
 たが、市内のバス停風景。
 西湖の脇を走る道。大きなポプラが続く並
 木がとても良い。杭州では欧米でもあまり
 見かけないセンターラインに立派な緑の植
 木。豊な路である。ただ車道には車が多い。
 その上かなり自分勝手なドライバーを見か
 ける。
 周囲15キロに及ぶ西湖は杭州の中心である。
 南宋時代から西湖十景と言われる景勝地が
 あった。例えば写真上右の景色は”雷峰夕照”
 雷峰山の山頂に見える雷峰塔の風景。ただし
 この写真を撮ったのは夕映えではなく朝である
 が。
 左の写真に写る門には”花港観魚”と言う額が
 架かっている。これも十景の一つでガイドブック
 には『蘇堤南端の金魚の池、牡丹園、船着場な
 どが織りなす景観』とある。我々もここから船に
 乗った。
 早朝の西湖畔には次々と旗を持ったガイド
 に従うツアーの観光客。日本人は見ない。
 皆中国人だ。あの路からもこの路からも携
 帯マイクからのけたたましい中国語が飛び
 交う。その上公園内の売店、土産店から大
 きな掛け声が突然飛んでくる。
 静かで穏やかなはずの朝の西湖畔はたちま
 ち喧騒に襲われる。中国語の、中国人のな
 んとそうぞうしいことか。

 写真右&上: 中国人の観光客。
 写真上: 各種の西湖遊覧船。特に右は龍船
 と言われる古風な中国船。我々の乗った船は
 普通に日本にもある現代の遊覧船であった。
 その2階の甲板の椅子に座ってガイドの沈さん
 の案内を聞く。およそ30分かけて西湖上の島
 を周遊して来る。
 写真右: 湖面の先は霧か靄かすっかり霞
 んでいる。まさに色がない水墨画の世界で
 ある。中国全土には西湖が36ヶ所もあるが
 この杭州の西湖はもっとも著名であると言う。
 
 小さな手漕ぎ舟にも種類があるが中には左手
 で左の櫂を漕ぎ、右足では右の櫂を操る器用
 船頭も見かけた。
 


                 4. 龍井茶文化村 (ろんじん茶)

                                     

 西湖の遊覧を終えると杭州最後の訪問地
 へバスで移動。中国の緑茶の代表とされる
 龍井(ろんじん) 村のお茶の見学コース。 
  
  写真左: 龍井茶文化村の門をくぐり内側
  からの景色。
  上海と同じで2階に上がると先ず緑茶の
  説明。その後は各種の茶葉や茶器の並
  ぶ店での販売。更に1階に下りれば土産
  の小物からスカーフ、貴金属が並ぶ店。ど
  こが茶文化村かと店の外に出て少し奥へ
  歩いてみた。
  写真下: レストランかと思った店先のテ
  ーブルでは麻雀をしている人も。10時す
  ぎには村を発って杭州空港へ向かった。
 バスは10時45分には空港に到着した。
 成田へのJL636は午後1時15分。2時間半も
 ある。国際空港のチェックインは未だ開いてい
 ない。
 私は数百元の中国の通貨を残したまま。日本
 では容易に両替出来ないので中国銀行の窓口
 ヘ。元に両替した時の書類の提示を求められ
 た。成田での両替明細を出したところ、中国で
 両替したものではないので中国内では円には
 交換不可という。
  写真右: 杭州空港外観。
 写真左: 国際空港待合室ロビー。杭州の
 国際便は日本行きのJALとANAの2便の
 みと言う。それも2年前からの開通で期待
 はしていなかったが免税店はないに等し
 い。唯一の売店では菓子類などを売って
 いる程度。それでも日本へ帰る人々が群
 がって土産を篭に取っていた。
 喫茶店が一つ。どうにも時間をつぶす手立て
 もなく中に入る。メニューは中国語に英語が
 併記されていた。コーラが20元、およそ
 ¥340. しかも缶のままストローをさして供
 されたのには驚いた。因みに紅茶が40元と
 あった。
  2泊3日と言う短い中国旅行を終えた。この間にアジアのツアーにつき物の土産物店訪問はお茶店
  2ヶ所、印章店、シルク店。そして観光バス内でもお菓子類の注文取り、マッサージへの勧誘と言う
  多彩ぶり。もちろんそれは日・中旅行代理店の利益のみならず,その結果旅行者の費用軽減にも
  貢献していると思う。そして安心して土産物が求められると言う便宜も供していると。しかしそれも
  ほどほどにしておかないと代理店自身の首を締めることになる。旅行者は観光に来ているのだから。

  
  上海の林立するビル、エネルギッシュな人々。近年中国への訪問者は商用,観光問わず増え続け
    ている。昨年の記録では340万人にも上る。アメリカ行きについで2位である。中国の経済発展につ
    れて両国間の貿易も飛躍的に伸びている。私が昨年まで在社した会社の上海支社は今や現地法
    人として日本企業の中国進出をマーケッティングでサポートしている。
    中国の面積は日本の26倍。人口は10倍。昨年の経済成長率は9.9%、GDPは2兆2千億ドル。ち
    なみに日本のGDPは4兆5千億ドル。中国の2倍。国民1人当りのGDPでいえば日本は中国の20倍
    ある。しかしその差は加速度的にちじまっていくだろう。良きにつけ悪しきにつけ中国は我々のライバ
    ルであり同時にパートナーでもある。日本の対中政策は極めて重要である。

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