ロンドンを訪ねる (3) 


ロンドン4日目、7月11日(日曜日)。昨晩広い
道路を隔ててすぐ向かいのホテルに移ってい
た。同じシングルでも幾分部屋が広くなって
国内出張のビジネスホテルよりはましかと
納得。

今日はイングランドの南の保養地ブライトン
へ行く予定。やはり地下鉄サークル線は動
かない。ベイカールー線でエンバンクメント
駅まで出てドッグランズ・ライト・レイルウエ
イ線で鉄道のヴィクトリア駅へ出られる。



                                       
  ( A Restaurant of  The Darlington Hyde Park)

  しかしエンバンクメント駅で駅員はドッグラ
  ンズ線は今日は動いていないと言う。オッ
  クスフォード・サーカス駅まで戻ってヴィクト
  リア線で二駅だと言う。
  いや迂回しているとブライトン行き10時32
  分発に間に合わなくなる。駅を出てタクシ
  ーを探す。  





               (English Breakfast)

  

  10時過ぎにはヴィクトリア駅に着いた。しかし
  いつものことで未だブライトン行きのプラットフ
  ォームは未定。急いでチケットを買おうとして
  窓口は長蛇の列。200人はいようか。幾つか
  ある自販機は未だ6,7人の列。更に少ない人
  の自販機は使用は硬貨のみとある。一方何
  人か群がっている人の真中に券売機を首に
  かけたスタッフを発見。私はそこでブライトン
  往復券16ポンドをゲットすると時刻表の大き
  なボードの前に戻った。
  



     (Victoria Station)

                                       
   

  もう出発までに5分となってやっとブライトン
  行きの文字盤が回転を始めた。回転が止
  まった文字盤を見てアッと驚く。そこには
  Cancel とあった。しかもその後もブライト
  ン行きは見当たらず。

  駅員に聞けば工事のため迂回して乗り
  継げばブライトンに行けると言う。しかし
  帰りのことを考えるとそれまでして行く
  理由はない。16ポンドの切符のリファンド
  を得るのに又一苦労したことは言うまで
  もない。

                                           (Victoria Station 2)

       
  

  

  今日は遠出は止めてロンドン市内は何処へ行こうかと
  考えながらヴィクトリア駅周辺をカメラで一巡した。

  私は3年前行けなかったテート・ギャラリーに行くことに
  した。もともとナショナル・ギャラリーの分館で本館より
  新しい18世紀から現代までの英国美術が中心と言わ
  れている。テート・ブリテンと名前が変わったのはごく
  最近と思われる。現代美術のテート・モダーンとに分か
  れたのだろうか。


  




(A Mother and Children in front of The Victoria Station)


                 < Tate Britain >


   

  地下鉄でヴィクトリア駅から一駅 Pimlico
  駅で下車。どちらの方角になるかガイド
  ブックを見ながら歩く。やはり数人が美術
  館に向かっている様子。  

                               







   




   テート・ブリテンは入場無料だった。献金によって
   運営されている。英国美術、とりわけ英国の代表
   的な風景画家ターナーのコレクションは充実して
   いる。ジョン・コンスタブルの作品も多い。

   真っ黒なバックの室内に3つの彫刻だけがスポット
   ライトを浴びる。Realism in Sculpture と題する
   部屋。真っ白な 大理石の作品。フラッシュ・三脚
   なしで撮る。実はこの美術館はノーフラッシュどこ
   ろか撮影禁止と知って冷や汗をかく。


                                

   

  Constable の「Flatford Mill 1816−18
  37」、Turner の「A Wreck, with Fishing
  Boats 1840ー1845」などの原画にも初め
  てまじかに見ることが出来た。

  しかし現代美術にも大作が少なくない。例
  えば Francis Bacon の 「Triptych −
  August 1972」。肖像画家として紹介され
  ていたが、椅子にかけた男性の肖像は足
  元からその肉体が溶け出している。そんな
  3部作である。

  1945年生まれのRichard Long の作品、
  「Ten Days Walking & Sleeping on
  Natural Ground 1986」 これは絵画なの
  か彫刻なのか Screen print on Woo
  d & Paper として  あった。一種のオ
  ブジェ。

   


  美術館には珍しく何点かの写真作品も展示されてい
  た。例えば オーストリア生まれの Edith Tudorー
  Hart 〔1908ー1978〕の作品「No home, No Dole 」 
  彼女は写真の勉強はドイツでしている。この作品は
  疲れた青年が一人路上でアコーデオンを引いている。
  もちろんモノクロ。

  1910年生まれのHumphrey Spenderの作品。「Jarー
  row Hunger Marchner」 路上の石段にかける人々。
  鳥打帽を被ってカメラ目線でこちらを見つめる若い男。
  歳いった労働者の顔。やはりこちらを向いた子供の
  瞳。



  ( A Little Girl Running beside the Tate)



 私はお昼は美術館の中のカフェに入った。カフェテリア
 になっておりサンドイッチやサラダ、スープにジュース
 など自分好きなものチョイスしてレジで精算する。
 日曜日で家族連れも多く結構混んでいた。

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