Stratford-upon-avon 1978


ストラトフォード・アポン・エイヴォンを訪ねる
       1998 年

                                                                             


『ストラトフォード・アポン・エイヴォンに入った
のは12時が少し回った頃だった。ロンドンの
北西約150キロ、文字通りエイヴォン川のほ
とりに広がる町で、 最近日本でも時々雑誌な
どでも紹介されているコッツウオルズ地方の
北端に位置している。別名シェークスピア・
カントリー
。』



4日前の6月28日(日曜日)、ロンドンを出発し
た現地英国のバス会社主催の英国周遊4日
間のツアーの最終目的地がこのシェークスピ
アの里だった。 ウエールズ地方の小さな村ス
ランゴスレンを発ってバスは一路南下していた。






      (Shakespeare's Birthplace 1998)     
           

  『私達が降り立ったのはストラトフ
ォード・アポン・エイヴォンのいわばメ
イン・ストリートにあたるへンリー通り
だった。 道幅は広いが車は入れない
石畳の遊歩道になっている。道の両
側はギフトショップやレストランが軒を
連ねる



















・・・・・・・私達は早速裏庭の入り口からシェークスピアの生家に入る。中に
進むと少し薄暗く天井の低い部屋に出た。外からの明かり窓もあるが一つ一
つの部屋はかなり狭く暗い。
2階への狭い階段を上がりながら、ちょうど20
年前も同じようにこの階段を上がったことを思い出す。そして部屋に置かれ
ているベッドや机も思い出す。それらの家具調度品は20年前と同じ、と言
うより400年前と同じ当時のものと聞いている。       
                                                          
天井の高さやベッドの大きさから見ると当時の英国人は今の日本人より小
柄ではなかったかと想像される。この家自体シェーク
スピ ア家の後何代にも
わたり他人が
住んだが、各部屋は当時のまま復元 されていると言う。
                     
        

                     (Henley Street)

              




    



      
                  














         (River Avon 1998)                            
                  (Anne Hathaway's House 1998)                                              

 ・・・・・・・シェークスピアの生家があるこのヘ
ンリー通り自体、なにか道幅が広くなったよう
な気がする。 そしてなによりも大きな変化はこ
の人の多さだ。

ロンドンからの大型バスが頻繁に到着して、そ
の度に日本人やアメリカ人の観光客が団体で
やってくる。その分土産物店もとても増えている。                  
               






・・・・・・・・・カメラを片手にとにかく先を急いだ。遠くへ
行く 時間はすでになかったが、まだ歩いていない路

地の一つ一つが私には大事に思えた。そしてちよっと
覗いた裏通りにも可愛いパブの看板を見つけたり、美
しいハンギング・バスケットを吊るした小さなホテルを
発見した。人通りの少ない路地を独り駈けながら、私
は20年の時間を必死に埋めようとしていたのかも知
れない。



                                                   

私は仕事で欧米の諸都市を訪ねる機会は
あった。それは10日も泊まっていたフランク
フルトで、たった一日も観光をする時間がな
かったような旅だった。近年は自分の時間
を見つけて一人で自前の旅行をするようにし
ている。

限られた時間であと何回かの地を訪ねるこ
とが出来るか。何を発見する事が出来るか。
美しい川の流れを見つけ、路地裏にどんな
優しい人の顔を写し撮ることができるか。』

                                                                   
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