スランゴスレンを訪ねる |
A 1998年 |
7月1日(水曜日)ツアー4日目、最終日の
朝を迎えた。気温は高くないが快晴。
我々のバスはチェスターを出発してすぐにス
コットランドを離れウエールズ地方に入った。
40分走ってバスは突然止まった。スランゴス
レンへの途中の写真スポットと言う。
『車道の片側は丘が急斜面に下り草を食む
黒い牛が点在する。牧草の所々には緑の葉
をつけた木々が続く。そして遥か麓に牧舎らし
い一棟が見える。丘陵はさらに別の峰が連な
り雄大な景観を呈している。これが起伏に乏し
いイングランドとは違うウエールズの風景かも
知れない。』
(Wales)
9時過ぎにはウエールズ地方の小さな町スラ ンゴスレンに着いた。 『ゆったりした川の流れの先は両側から緑に覆 われたなだらかな丘の斜面が迫っている。この 川は昨日のチェスター市を流れていたデイー川 の上流になる。少し川幅も狭くなっているが、恐 らく40キロとは離れていない。 中世の面影が色濃く残っていたチェスターの街 から一面緑に包まれた明るい田舎の空気、白い 雲が浮く空はあくまでも青く澄んで今日はとても 美しい。』 |
(A Street of Llangollen)
『路上の矢印の表示板には郷土館とか川岸 歩道とか、全て英語とウエールズ語とが併記 されている。その一つ一つの単語はいずれも 同じ語源とは思えない。全く別の言語だ。・・・ もうすぐ10時になるので私達3人はバスの 止まっている駐車場に向った。途中の交差点 で見かけた教会はこの小さな町にしてはなか なか立派な建物で、表の掲示板には夏のコン サートの案内が貼ってあった。 そういえばこんな田舎町と思っても、(ロンド ン同様に)やはり電柱は一本も見当たらない。 日本のような大きな看板も一切町にはない。 ・・・・・・・ そのことが町や都市の景観にとってどんな に素敵なことか。ちょっと東京の光景をイメージ してみればその猥雑さに気付く。東京で長く暮 らしているとそんな街の景色に全く鈍感なって いる。』 |
(River Dee in Llangollen)