ファティマを訪ねる  
        2003年11月

   
   


 11月1日(土曜日)今日は行き先が多く
 珍しく朝8時と出発が早い。コインブラから
 約105キロ南下して最初の目的地 Fati
 ma へ向かう。

 ファティマは奇跡の聖地である。1917年
 羊飼いの番をしていた3人の子供達に聖
 母マリアのお告げがあったという物語であ
 る。それ以来痩せた不毛の地であったファ
 ティマには幅が110メートルと言う大聖堂
 が建てられその広場は長さ540メートルに
 及ぶ。



      (ファティマの大聖堂)
                                       

     


     毎年5月と10月の13日にはポルトガル
     全土はもちろん、同じくカトリック教国の
     スペインからもたくさんの巡礼者がここ
     ファティマを訪れ祈りを捧げると言う。
     
     大聖堂前の広大な広場が30万もの信
     者によって埋め尽くされるという。我々が
     訪ねた日もちろん特別な行事のある日
     ではないが訪れている人々は観光客と
     言うよりは真剣に祈る姿は信者である。







      

我々が大聖堂の中に入った時にはミサが
行われていた。もちろん観光客の人もいた
であろうが大変な人で、それは極めて厳か
に執り行われていた。

特に強い印象を受けたのは膝を折って右手
に杖をつき、左手を引かれて広大な広場から
大聖堂につながる決められた道を歩む信者
の姿だった。私は始め足の悪い人が手を引
かれいざっているのかと思った。

しかし別の場所では若い女性が一人手を引
かれる事もなく厚い膝当てをして膝で歩い
ているのを見て、これは多分願掛けの祈り
ではと気付いた。

聖地に向かうチベット教の信者達が己の身
を前に投げ倒して祈りながら進む五体投地
にも似た厳しさを感じた。
                                  

         

    バターリャを訪ねる   
        2003年11月



  ファティマから世界遺産のバターリャへは近い。およそ16
  キロと言う。10時前に出発したが10時20分には Bata
  lha に到着。

  ここバターリャは1385年に侵略してきたスペイン軍と戦
  いポルトガル軍に勝利をもたらしたジョアン一世が聖母
  マリアに感謝して建てた聖母マリア修道院がある。




                             

       巨大なビルを思わせるマヌエル様式
       の修道院は真っ青な空によく栄える。
       丁度ここポルトガルの地でも美しい
       紅葉を迎えていた。

       修道院の中にはあのエンリケ航海王
       子とその両親の手を合わせた大きな
       石碑が横たわっていた。

       こうしてポルトガルの世界遺産、旧所
       名跡を訪ねる旅は教会巡りの感があ
       る。それだけこの国におけるカトリック
       の大きさを思い知らされる。







(Mosterio de Santa Maria da Victoria 勝利の聖母マリア修道院)


  カトリックの信者であればこれは正に
  ポルトガル巡礼の旅である。私には決
して近しい共鳴を得る旅にはならない。
あくまでも異教徒の旅でしかない。


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