ダブリンを訪ねる (4)  


  J. St.Patrick Cathedral  


      アイルランド国民の94%はカトリック教徒と言われる。1922年の独立まで長い
      英国支配下にあったが Irish は英国々教会とは一線を画してきた。しかし
      ダブリンにある最大の教会 セント・パトリック大聖堂は何世紀もの間ダブリン
      市民の教会であったが現在はアイルランドのプロテスタント教会の一つである。

 

写真上2枚: セント・パトリック大聖堂。18世紀の前
半の32
年間あの『ガリバー旅行記』で知られるジョナ
サン・スウィフトがここの司祭長を務めていた。
私が
中に入ってワン・シニアと言ってチケットを求めると
「ようこそお出でになりました!日本の方ですか?」
と日本語の冊子を渡してくれた。
 写真下2枚: セント・パトリック大聖堂から歩いてすぐ
 の所にあるクライスト・チャーチ大聖堂(Christ 
 Church Cathedral)。 こちらもカトリックであったが
 16世紀ヘンリー8世の英国国教会
創立によりそのア
 イルランド版として Church of Ireland
 となって
 いる。


国民の大半がカトリック教徒なのに最も大きな教会と最も古い教会は何故かプロテ
スタントであった。帰国後私はジョイス像のあったコノリー駅への途中の脇道でチラ
ッと見ていた教会が実はSt.Mary’s Pro−Cathedral (聖メアリ仮大聖堂)と言う
カトリック教会であることを知った。1825年に建造されていると言う。しかしこの教会
はガイドブックには載っていない。


  

  K. Landmarks  


      今迄すでにダブリン市の大半の名所と言うか観光地を紹介してきた。ここでは残り
      の幾つかをまとめて案内したい。

   

           オコンネル通り中央にある立派なビル。これ
は1815年に建てられた中央郵便局である。
しかしそれは単に郵便事業の元締めにとど
まらない。

1916年のイースター蜂起の時にはアイル
ランド義勇軍の司令部が置かれたアイル
ランド共和国の歴史的な建物である。
         
 写真右:オコンネル橋を南に渡ってすぐ左手にはあのトリニテ
  ィ・カレッジがある。 その斜向かいにあるのがこの Bank 
  of Ireland である。一銀行にしてはチョッと
大層なビルと
  思う。それもそのはず1800年にアイルランドが英国に
併合
  
されるまではアイルランド議会の議事堂であったと聞けば
  
納得する。

 
写真上2枚: これはダブリン城である。13世紀始めに建造され
 17世紀火事で崩壊するまでイギリス支配のシンボルであった
 と言う。現在では国際会議場としても使われている。私が訪
 れた時は城内ツアーの待ち時間であった。写真を撮って戻る
 と
 「あいにく次のツアーは申し訳ないが既に定員オーバーです」
 と言われ30分後まで待つ時間はなかった。


写真右:テンプル・バー地区西の外れを南に向かったところに
 
コリント式の優美な円柱の立つ City Hall がある。ダブリ
 ン市は12世紀末から存在するがこの市庁舎は18世紀末に
 建てられたものである。

 写真左: やはりテンプル・バーの西端を反
 対のリフィー川沿いに出るとこの緑のドーム
 の建物が見える。これが Four Courts
 と言われる19世紀初めに建てられた4種
 類の裁判所である。

  1922年のアイルランド内戦の時には IR
  A 〔アイルランド共和国軍〕 の総司令部
  がおかれた
ダブリン市西地区の広大なフェニックス公園の中にThe 
Office of the President of Ireland つまり大統領
官邸がある。これはツアーバスで回ったから来られた場
所と言える。市内からわざわざここまで来る観光客はい
ない。
 President Mary McAleese この官邸
 の主
である。1997年第8代アイルランド大
 統領に就任。彼女は1951年なんとBelfast
 生まれ。言うまでもなくそれは現在も英国領
 である北アイルランドの首都である。ベルファ
 ースト・クイーンズ大学を卒業してその法学
 部教授を歴任している。同時にジャーナリス
 トでもありTV、ラジオのプレゼンテーターでも
 あった。
  写真左:左手の建物はクライスト・チャーチ
 大聖堂である。右の建物は Dublinia と
 いう。言わば今風博物館。ここ10年ほど前
 にオープンしたばかりで中世のダブリンが
  体感できる施設である。両方の建物を結ぶ
  美しい陸橋は1870年に建てられている。

 写真上2枚: 赤と黄色のカラフルな扉。これはいずれも18世
 紀ジョージアン様式の象徴である。扉の色はそれぞれ異なる
 がこの扉を持つ建物はトリニティ・カレッジと聖スティーブンス
 ・グリーンの間の東部に集中している。また一部オコンネル
 通リ北の西ウエスターンウェイでも見かけた。

 写真右:セント・スティーブンス・グリーンを出てその北西地区
 にある国立博物館、国立美術館へ向かった。しかし私はどう
 やら方角を誤って公園の東と南の地区を歩いていたようだ。
 結構強い陽射しで汗を拭きながら探していた。国立コンサー
 トホールとはそんな時に出会った。
写真左:ヨーロッパの都市でよく見かけるスマ
ートな路面電車である。同じく美術館を探して
歩いていた時である。LUASと言われるこの路
面電車はリフィー川の北沿いに先月から、また
グリーン公園から南へは9月以降開業と聞い
ていた。
果たして私の見たのはどのルートを
走っているのだろうか。予定ルートにはない場
所である。



写真左: オコンネル通りの北泊っていたグレシ
ャム・ホテルを右手に出て少し北へ歩くと交差点
の角に教会がありその並びにある茶色のビルが
 Dublin Writers Museum ダブリン作家博物
館である。ジョイスはもちろん1997年からはラフカ
ディオ・ハーン,あの小泉八雲も加わったと言う。
私は午後一番のフライトでロンドンへ向かう朝だ
ったので残念ながらオ ープンの10時迄待つ時間
はなかった。


 写真右: この博物館の道を更に北へ出るとビ
ルを 攀じ登る巨人を発見する。National Wax 
Museum 国立蝋人形館である。ロンドンのマダム
・タッソー蝋人形館のダブリン版。規模は遥か
に小さいがマイケル・ジャクソンからジャームズ・
ジョイスまでの等身大のロウ人形がいる。


        

  K.  Dublin Airport  


 

   

 
普通初めての空港に着いた時は都心に出るの
にタクシーが手っ取ばやい。しかし勝手が判った
帰りなら公共交通を利用することも出来る。しか
し今回私は逆だった。ダブリン空港に着いてスー
ツケースを引いて外へ出るとバスの職員だろうか、
何処まで行くかと声を掛けてくれた。グレシャム・
ホテルと言えばあのバスに乗ればいいと教えてく
れた。一方帰りは生憎朝から雨。私は部屋から電
話をするとスーツケースはポーターに預けた。当
然タクシーの手配も期待して。
ちなみに空港間の
Airlinkと言うバスでは5ユーロ。タクシーではチ
    ップを含めて15ユーロ〔約\2000〕ですんだ。  
        
ダブリン発ロンドン行き午後1時。ダブリン
空港ではエア・リンガスでチェックイン。ここ
ではロンドンでの乗り継ぎ便の搭乗手続き
も一緒にやってくれた。そして私はロンドン
では荷物のピックアップは不要で成田まで
直接行くことを確認した。免税店では土産に
スペイン・ワインなど3本とダンヒルを1カー
トン求めた。Dunhill のエンジ色のボディの
1/3以上のスペースには端的にSmoking
 Kills と大書されていた。その裏を見ると
Smoking can causes a slow and painful
death.〔喫煙はゆっくりと痛ましい死をもたら
す〕とある。これを受け取る会社の同僚達が
禁煙のきっかけにしてくれれば。
EU圏内で買った商品の免税手続きは
最終出国の空港税関で検印を貰って
投函しなければならない。ダブリン空港
ではあいにく出国手続き後すぐにある税
関が見当たらない。入国管理官に聞け
ばこの先の右手にあるという。Cash
 Refund というブースを見つけて書類
を出す。読んでいたスタッフはどうも要
領を得ない。私は検印を貰ってこの書類
を投函するように言われていると告げ税
関は何処かと
聞く。税関の場所を聞きな
がら結局入国手続きの税関職員の所へ
到達した。彼に書類を見せて検印を貰い
投函したいと言えばその先のポストを教
えてくれた。なんのことはない。私は入国
していた。投函してすぐ戻ったがもうここ
からは出国させてはくれない。又振り出し
に戻って一から出国手続きをする羽目に
なった。私は今迄にも他空港で免税手続
きはしているが、あのCash Refund の窓
口では直接申請してその場で返金してく
れるケースもあるのだろうか?考えてみ
たらわずか¥3000弱の免税のために。
しかも1/3は手数料でロンドン三越に引
かれてしまう。
3泊4日と言う短い滞在であったがダブリンでは全く日本人を見掛ることがなかった。
確かにダブリンのツアー・コースは日本のトラベル・エージェントでは稀ではある。
しかし日本企業は昨年の段階でアイルランドへ40社ほど進出している。
そのため日本人も900名ほど在住している。アイルランドの人々が知っているかどう
か判らないがこの国への投資状況は米、英、独国についで日本が第4位である。


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