ピサを訪ねる |
1997年9月
午後2時にフィレンツェを発ったバスはリグーリア海に面したピサまで一路西に走る。およそ100キロの道程。
私が知っているピサのイメージはただこの斜塔だけがぽつんと一つ建っている。しかし実際に訪ねてみるとそれは11世紀から12世紀初頭までの50年をかけて建てられたと言う立派なデゥオーモに付随する鐘楼に過ぎないと言うことがわかった。
もちろんその鐘楼自身も12世紀から建造が始まり一時中断したが14世紀半ばに完成をみた大理石の堂々たる建物ではある。現在5度30分の傾斜があり修復中のため8層の塔を登ることは出来なかった。
もっともこの傾きは建造当初からのことで地盤沈下がその原因。我々は16世紀に地元出身のガリレオ・ガリレイが塔の上から物を落として物理の「落下の法則」なる実験をしたことで知っている。
(ピサの斜塔 1997年)
寺院の入り口周辺には丁度日本の縁日の様に沢山の屋台の店が並び道行く観光客に声を掛けている。
大型の観光バスも次々とやって来る。
ピサでもゆっくりする時間はなかった。何しろ今日はこれからイタリアを横断してアドリア海に面したベネツィアまで出なくてはならない。
(屋台の土産物店 1997年)
(ドウオーモと鐘楼 1997年)
丁度イタリアの靴の形の上の方を左から右に,つまり北東に向けておよそ260キロの行程。