グラナダを訪ねる

  
     1996年9月

9月29日(日曜日)夕刻、マドリッドのバラハス空港から国内線のアビアコ航空でグラナダで向かった。
7時半、およそ50分でグラナダ空港へ到着。

昨日の半日観光で一緒にトレドに出かけた静岡のK氏と夕食に出た。ホテルの近くに中華レストランを見つけた。メニューには幸い英語でも書かれていた。K氏はあれこれ注文し過ぎて結局私が大分応援した。

ビールを飲みながら彼が言うには昨日1人でマドリッドの地下鉄に乗って現金10万円を掏られてしまった。添乗員は地下鉄には充分注意して下さいと
         (アルハンブラの宮殿 1996)

言っていたのを私も覚えている。彼から貰った名刺では静岡の観光会社の企画室長。自社のツアー企画の下見の旅行と言う。言わば旅行のプロだった。油断があったのだろうか。同業の添乗員には言いかねたか、私に日本円はなくなってしまったので東京から静岡までの新幹線代として1万円貸して欲しいと言う。

レストランを出て人の流れに沿って少し歩くとトリウンフォ広場と思われる場所に出た。音楽に合わせる様に幾つもの噴水が様々な動きを見せていた。赤や青のライトがその噴水を照らし出して美しい。観光客だけでなく地元の人達も夕食後のひと時を楽しんでいた。

翌朝は7時前に起床。ホテルを出てみたが未だ薄暗い。これは意外だった。確かに9月末ではあるが東京のこと考えたら随分夜明けが遅い。ヨーロッパとしてはすぐ先は北アフリカと言う南の緯度であるが。8時になってやっと明るくなってきた。それでもホテル前の朝の通勤風景は日本で焼いた写真を見ると、空こそ明るくなってきているが街自体はまだまだ暗い感じ。
           (ライオンの中庭 1996)

8時半にはホテルからバスが出発。市内を抜け丘を上る。町並みは次第に小さくなってゆく。アルハンブラ宮殿へ向かう。13世紀前半に着工され14世紀ユスフ1世とムハマード5世の時代に現在の主な部分が建造されたと言う。


小高い丘の上に広がるアルハンブラ宮殿はメインの王宮とカルロス5世宮殿があり、宮殿西端には宮殿内では最も古い13世紀の要塞アルカサバ。そして宮殿の北東、10分ほど歩いた所には夏の別荘として離宮があり美しい庭園が広がるヘネラリフェがある。

    (宮殿内部からアルバイシンを望む 1996)


宮殿の造りはもちろん内部の様式や壁の文様もキリスト文化とは異なるアラブイスラムの色彩が色濃く反映している。今日も多くの欧米人、とりわけ年配の人々が訪ねて来ているが彼らにとってもここアルハンブラ宮殿はエキゾチックな世界に違いない。カメラやビデオを撮っている人も多かった。
    


       

(イスラム教徒が住むアルバイシン 1996)
スペインでは異色のホテルとしてパラドールと言う国営ホテルがある。古城や領主の館などを改造してホテルにしているケースも多くスペインを訪れる人々には人気の宿泊施設。

このアルハンブラ宮殿の敷地内にも修道院を元にしたサン・フランシスコと言うパラドールがあった。静岡のK氏と浦和から参加していた鯉沼夫妻と4人でこのパラドールの庭でテイ―タイムのひと時を過ごした。         (パラドールの一つサン・フランシスコ 1996) 
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