ケンブリッジを訪ねる 
    A 2004年7月

     Cambridge 1985 & 1980        


7月9日(金曜日)英国到着の翌日。朝からケンブリ
ッジを19年ぶりに訪問する。パディントン駅から地
下鉄でキングス・クロス駅へ向かう。私は自分が乗
った線がサークル線かどうかフト心配になり隣で本
を読む女性に聞いた。
「これは違います。キングス・クロス駅なら次ぎで乗
り換えです。私も行きますから。」
そうかロンドンの地下鉄は同じフォームから別のラ
インの電車が走っている失敗を思い出した。
私がケンブリッジに行くと話すと、彼女が
「私もケンブリッジに行くところです」
と日本語で言われびっくりした。
「何処で日本語を覚えたのですか?」
「岩手県の盛岡にいたことがあります」
「そうですか!英語の先生をしていたのですか?」
「ええ。会社でも少し働きました」




  (Gatehouseー Christ's College)                                       



ケンブリッジまで旅の友が出来たーラッキ
ーと思ったのはキングス・クロス駅に着く
までの事だった。ケンブリッジ行きの汽
車が出るフォームまで案内してくれた彼
女は仕事仲間が現れてバイバイと言って
去って行った。

汽車は割りに空いていた。1時間弱で11
時過ぎにはケンブリッジに着いた。英国
の鉄道駅はどこも市の中心からは離れ
ているがケンブリッジの場合も同じ。駅
前には街に向かう2階建てのバスがい
る。私は1ポンド払って早速乗り込む。  


                                           (A Shop in Market)
  
私はかつてケンブリッジに関しては何冊
ものエッセイを読んでいたが今回の訪問
は失敗した。ただ漫然と市内を歩いてい
ただけだった。何処に何があるか実際的
なガイドブックをよく調べていなかった。
おまけにTシャツに薄いジャンパーを着
ていたがこの日は寒かったこと。

撮ってきた写真の建物もカレッジの名前
が判らない始末。必見と言うキングス・カ
レッジの礼拝堂も見ていない。ため息の
橋にも気づかない。       
   
King's College)



                                   

       


街に入って適当な所でバスを降りると結構明るい
店があると覗いていた。Aちゃんに頼まれていた
ウオレットのこと思い出しながら。2軒目で赤い
可愛いのを見つけた。手にとると革のしなやかな
こと。気に入った。25ポンド程。

他にも綺麗なガラス細工を見たり、郵便局を見つ
けて切手を買う為に窓口に並んでいた。ケンブリ
ッジ来たことを忘れていたか。

右の写真はさて何と言うカレッジだったかまるで
思い出せない。  

                                    

                                                                                                          (StーJone's College)



                                                  



街を歩きながら大学都市ケンブリッジの書店
には何軒も寄り道をしていた。最近アメリカ
で発売され話題になったクリントン前大統領
の自伝 「My Life by Bill Clinton」 が
どの書店でも山積みされていた。かなり厚い
本で、確か日本では翻訳が9月下旬に上下
巻で朝日新聞から出版される。

そんな書店の一つWaterstone’s の3階
にあったCosta Coffee で遅いランチをし
ていた。最近は東京でもコーヒーより胃に優
しいといつも飲むカフェラテにする。大きなカ
ップに溢れるほどの泡に包まれたミルクで身
   体が温まった。
        (A Book Store in Cambridge)  


しばらく休んで少し元気を取り戻す。もう3時、やっ
と3時。少し街の南に向けて歩いていた。すると右
手に大英博物館を思わせる立派な建物が見えた。
これが19世紀半ばにオープンしているフィッツウ
イリアム博物館であった。入場は無料である。

イギリス美術はもちろんのことレンブラント、ミケラ
ンジェロなどルネッサンス期の名画もある。館内
の内装や造り自体も立派な工芸品を見る思い。
丁度先月までで建物の一部修復工事を終えたば
かりだと言う

                             














          (The Fitzwilliam Museum)




     


少し豊な気持ちになって博物館を出る。少し
南に戻り左手に折れてケム川に出た。有名
なケム川のパンテイング。船乗り場だ。川の
西側が緑の木々と芝生が広がるキャンパ
ス。

20余年前の私のケンブリッジはケム川の流
れる緑の林をタクシーで抜けていった記憶だ
けである。街や商店は全く視界にない。果た
してケンブリッジ駅を降りてケンブリッジ大学
出版局へはどの道を走ったのだろうか?



          ( River side)


このシルバー・ストリートの橋の上から
北を見るとあの有名な「数学の橋」が
すぐそこだ。釘は一切使わずに木が
組み合わされて橋を作っていると聞
いた。

橋の右手の建物ががクイーンズ・カレ
ッジである。このクイーンとはキングス
・カレッジを創設したヘンリー6世の王
妃マーガレットがキングス・カレッジに
倣って7年後の1448年に創設してい
る。日本では鎌倉時代、まだ足利氏の
時代である。


                                                                   
                                            (River Cam)
    


 私は当初帰りは6時15分ケンブリッジ発で7時過ぎには
 キングス・クロス駅に戻る予定だった。ロンドン在住の
 林君とは夕刻7時過ぎのアポをしていた。しかし午後に
 は寒いのと疲れたのとで彼の携帯に電話をいれ30分
 繰り上げて貰っていた。
 
 ケンブリッジではアジア系では中国人の観光客は見か
 けたが、日本人は稀だった。学生らしい女性を数人見
 た程度。今回の私のケンブリッジは残念ながら散漫な
 印象に終わった。
 
 


( The Bridge and Queen's College)

        


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